安倍晋三首相は20日、通算在職日数が第1次政権時代と合わせて1242日となり、祖父 の岸信介元首相を超えて、戦後歴代首相で6位になりました、って報道がありました。
1242日って、365日で割ると、約3.4年。それで戦後6位って、、アメリカ大統領の任期1期4年(現在は2期8年まで)より、まだ短い。
ちょっと古いブログですが、引っ張ってきました。
先進国で日本より短いのはイタリアぐらいで、同じ議院内閣制のイギリスは平均5年弱、ドイツは7年強です。
確かに、日本の首相在職日数は他の国と比べると、短いですね。
<上のブログから>
- 小林教授は「党内の役職や大臣経験を経てはい上がっていった昔と異なり、小泉純一郎元首相以降は国民に人気のある人が首相に選ばれるようになった。そのため人気が落ちれば首相にとどまれなくなった」と指摘。
- また、徳島文理大大学院の政治学教授・八幡和郎氏は「戦前から独裁者を嫌う傾向があり、“持ち回り”の発想が根強く、長期政権にならないよう、リーダーシップがない人を選んでいる」と分析しています。
もうひとつ。
議院内閣制という制度では、国政選挙で勝ち続けなければ政権を維持できません。日本国憲法下では23回の衆議院総選挙と21回の参議院通常選挙がありました。合計すると44回ですので、平均するとおよそ1年半に1回の国政選挙があったことになります。そしてこれらの選挙の結果が、その都度、政権の存否を決してきたのです。国政選挙が頻繁に行われれば、与党が負ける頻度も上がります。国政選挙のスパンが短いことは政権が長く続かなない理由のひとつと言えるでしょう。
と、言うと、日本の首相の在職平均日数をもっと伸ばせ!、っという主張になると思われるでしょうが、私は違います。
日本人の、権力に対する、飽きっぽさ、や、せっかちな気質(世論)を考えると、今の平均在職日数は少ないにしても、他の先進国並みに(平均4年以上)しなくていいです。そして、短い短いと言いながら、首相在籍日数をもっと伸ばす改革は、言ったにしても実行までは誰も至らず、です。
なぜかと言うと、日本に2600年以上続いている万世一系である天皇陛下の存在があり、権力者に対する飽きっぽさやせっかちさが出て、権力者をそこそこの期間でも変えてもいいや、という空気になっているのではないでしょうか。
天皇陛下(及び皇后陛下、皇太子など皇族)が、日本古来の祭祀を行い続け、また世界各国との友好外交(厳密には外交ではないにしても)を行うことによって、権力者の頻繁な交代による欠陥を補えていると思えます。
逆にいうと、永続なる天皇一家があることにより、政治は「まつりごと」として、権力者を、短期間で変えることに、日本の権力側も国民も、どこかでそれを楽しんでいるふしがあります。
欧米諸国がそうだからそうすべきだ、という考えをとりがちですが、何でも真似ればいいというのでもありません。
ちなみにオバマ大統領は第44代目、安倍首相は(初代伊藤博文首相)第96代目にあたります。ワシントンが初代大統領に就任をしたのは1789年、伊藤博文首相はその96年後の1885年です。約100年の遅れがありますが、首長は日本が倍以上の人数です。
しかし、天皇陛下は、ワシントン大統領の時代から現代まで、たったの7人です。
日本は古来から、権力と権威の両方取りはできませんでした。
そこそこの任期の首相(権力)と、即位から亡くなられるまでずっと務める天皇陛下(権威)、私はいいバランスだと思います。
佐藤優さんの「日本国家の神髄」です。「国体の本義」を読めと仰ってます。
ではでは。