彼が書いた自己啓発書の古典『人を動かす』『道は開ける』は、世界的なロングベストセラーで有名ですね。(初版刊行が1936年、累計発行部数1,500万部以上!)
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
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『人を動かす』は私もずいぶん前に購入して読んでいました。
その『人を動かす』を対人心理学の視点から分かりやすくとらえた本が、本屋で平積みで売っていました。ちょっと前に購入して読みました。
人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け: デール・カーネギーの『人を動かす』を対人心理学的に読み解く (単行本)
- 作者: 齊藤勇
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 単行本
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改めて『人を動かす』を開いてさっと見てみると、鋭く含蓄のある言葉がある一方、引用ストーリーがやや長く、冗長な印象もありました。大事な要点は、目次の見出しに書かれている感じです。
一方、『人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け』は、初めから終わりまで読み易く、一気に読了しました、1-2時間で読めます。さすが現在の状況に合うように書かれているので、分かりやすかったです。
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まず、著者の齊藤さんの指摘でびっくりしたのは、原著のタイトルは、『人を動かす』ではなくて、『友を獲得して、人に影響を与える』であることでした。カーネギーは「人を動かすには、まず、その人と友になることが重要である」と説いているとし、「いかにして友を得るか」がメインテーマとなっているとおっしゃっています。
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- ①批判しない、非難しない、文句を言わない ②真心を持って素直にほめる ③相手に強い欲求を起こさせる
- 人に好かれる六つの方法→心からの関心、笑顔、相手の名前、優れた聞き役、相手の関心を話題、誠実さをもってほめる
- 仲間をつくるには、相手の関心を引くのでなく、相手に純粋な関心を寄せる
- 笑顔は100%好意を生む、笑顔をもっと意図的につくれ
- 誰かに自己開示するとその相手を好きになる、また、それを聞いた人もその人を好きになる
- へたなお世辞を言うより、黙って話を聞く、うなずく
- あいづちを打てばさらにいい、あいづちは「さしすせそ」
- さすがですね、知らなかったですよ、すごいですね、センスがいいですね、そうですよね
- 意見の一致と好意の関係は「数」ではなく「比率」
- 初対面で相手をほめること、人は「ほめる人」の周りに集まってくる
- 議論は避ける、「議論に勝つ」か「人の好意を得る」かどちらかである
- 意見の不一致は歓迎する
- 自分で自分の誤りに気がついたら先に謝ってしまえ
- イエス、イエス、イエスと口にする話題を取り上げる
- 本気で相手を動かすには、その人の心の中に入り込むこと
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ー使い分けを意識しながら。使いこなそうー
分かりやすい平易な表現で、すごく参考になりました。
一方で、「引くことが、真の人間関係力を高める第一歩」ともおっしゃっています。しかし、実際の仕事で、「引きっぱなし」だと、メンタルやられるか、仕事の引き受け過ぎで過労死してしまうんじゃないかなとも思いました。
私が、リワークプログラムの集団認知行動療法で学んだ、「アサーション」と反する印象も持ちました。
あと、相手の関心に焦点を当てる考えですが、今流行のアドラーの考え方「他者の期待など、満たす必要はない」(『嫌われる勇気』から)とも反しています。
要は、プライベートではかなり使える技法である一方、仕事・社会では他の技法もその都度判断して、使い分ける必要があると思います。
総合すると、いまいちど、自分の対人関係構築能力をチェック・再築するのに格好の参考書です。私も、いまさらの歳ではありますが、この本に書かれた技法を吸収し、いまいちど対人関係スキルを再構築したいと思います。
ではでは。