FIFAが揺れています。というより、欧米が揺らしにかけてきたと言うべきでしょう。
米司法省の依頼を受け、スイス当局がFIFA副会長ら7名を逮捕したあと、5月29日FIFA会長選挙がありました。UEFAのプラティニ会長はブラッター辞任の要求をしましたが、ブラッターは拒否、アジア・アフリカ・中南米から票をかせぎ、5選(!)を果たしました。
ーFIFAの視点からー 加盟数は多いが密室政治、不正が起きやすい
- FIFAは209協会からなり、国連193か国を上まわる
- 2010年に2018年(ロシア)2022年(カタール)のW杯開催地を決めたのはたったFIFA理事22人の投票
- 下馬評が低くて酷暑のカタールに決まったのは買収によるものとうわさが流れた
- 2013年、前FIFA会長のアベランジェ名誉会長が過去の汚職絡みで辞任、罪には問わず
- FIFA会長の定年と任期に制限はない
- ブラッターは定年・任期制に反対
- UEFAはブラッターの再選不支持、但し今回強力な欧州出身の対抗馬出せず
- プラティニも出馬せず
- ロシアのプーチン大統領はブラッターを支持
(Sputnikはロシアのニュースです、ロシアから見た世界を知ることができます)
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ーアメリカの視点からー アメリカは国益を損なうものはあらゆる手を使ってつぶす
FIFAは金まみれのちみもうりょうとした世界だということは、随分前から言われていました。アメリカが今回腰を上げることはできたのは、以前からの捜査の結果のようです。
そもそも、アメリカの司法当局が裁く妥当性についてですが、司法当局は「米国で起きた犯罪」ととらえ自国法が適用できるとしています。
レイムダック化したオバマ大統領が、4月24日に就任したばかりの新任のロレッタ・リンチ司法長官(アフリカ系の女性としては初の司法長官、司法長官に就任する前は、司法省でFIFA疑惑潜入捜査チームを指揮していたそう)と組んで、任期が少なくなってきてレームダック化してきた中でオバマがレガシーをとりにきたとも言えます。
ただし、やはり、私は、上の3にあげたように、アメリカの不利益になることが看過できないほど大きくなっていたことだと思います。虎の尾を踏んでアメリカを怒らせたのです。しかし、恐らく狙っていたであろう、ブラッターの辞任は引き出すことはできませんでした。
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ー世界の視点からー さらに事が大きくなったら日本はどうする?
- 今回、日本は(公にはしていないと思いますが)ブラッターに投票したはず
- ブラジルW杯アジア勢惨敗を受けて、W杯アジア枠の削減は避けたかった
- ブラッターは、アジア枠を拡げて維持してくれていた
- 併せて、今回FIFA理事選挙もあり、田嶋日本サッカー協会副会長が理事に当選
- よって、日本としては、ブラッター体制を支持する(しかない)
- そうなると、FIFAにおいては、日本は欧米サイドではなくロシア・中南米・アジア勢サイドになる
- 国策で乗り込んでいるアメリカが、万が一日本に協力を求めてきたらどうする?
(W杯のボイコットとか)
と書いていたら、違うニュースを見つけました。アメリカを怒らすと。。
ではでは。